21: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/09/27(月) 19:20:35.78 ID:FpkFq5Eu0
……大丈夫だよな。
俺とアルクェイドが知り合いだって気づかれていないよな?
「それで好みのタイプだけど、ふふ」
おいバカ止めろ。
止めろって言っている俺のアイコンタクトが届かないのか?
アイコンタクトが届かなくても、打つ手が無くて頭を抱えている俺のジェスチャーは見えているよな?
全人類、全世界に通じる共通言語《ボディランゲージ》だぞ。
「わたしの彼氏ったら、わたしが大切なあまり小言が多くってね。
酷い時はわたしの事をばか女って言うんだよ」
『ええええぇぇ!?』
教室中からアル美先生の彼氏への非難が吹き荒れる。
おいおい。この場にアル美先生の彼氏とやらがいれば、きっと居たたまれない気持ちになったことだろう。
「大丈夫なんですか先生? それって束縛が強いDV野郎じゃないんですか?」
事情を知らない女子の発言に、女性陣を中心に賛同の渦が巻き起こる。
別れちゃえー! なんて無責任な言葉まで飛び交う。
「でもね、しき――じゃなくて彼氏が口が悪いのはわたしだけなの。
基本的には誰にでも優しいのに、わたしだけ例外。
その癖わたしが大変な時は、普段は子犬みたいな顔しているのに狼みたいなカッコいい顔つきで駆けつけてくれるんだ!
口の悪さだって、わたしへの愛情が隠しきれてなくて――――もう大好き! わたしの運命の人!」
『お、おおおおおぉぅ……っ!』
臆面もない壮絶な惚気《のろけ》に、感嘆の息による大合唱。
……メロ……止メロ……シテ……殺シテ……。
俺がいったい何をしたっていうんですか神様。
自分への惚気話を同級生たちにしている光景を見せつけられるのは、いったい何の罪でどこの地獄に落とされたのでしょうか?
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