37: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/25(土) 22:18:48.34 ID:rdad/mqRO
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ビジネスホテルに着くと、あたしは優結を寝かせた。少し吐いたけど、酔いはそこまで深刻なものじゃなさそうだった。
竹下君、って言ってたっけ。善意から色々してくれたのだろうけど、このまま何もしなくていいのだろうか。
朝になったら、彼はふっとそのまま消えてしまいそうな気がする。せめて、連絡先ぐらいは交換しないと。
優結が寝たのを確認し、あたしは時計を見た。午前2時。さすがに遅すぎるだろうか。
あたしは自分の電話番号とLINEのアカウントをメモに書き、竹下君がいる隣の部屋に向かった。ドアの合間からメモを入れることぐらいは、できるはずだ。
ドアを開けると、竹下君が部屋に入ろうとしている所だった。
「待って」
「……!木ノ内さん」
「良かった……これ、あたしの連絡先」
「あ、ありがとうございます」
彼は少し戸惑っている様子だった。これは、いい機会かもしれない。
「ちょっと、話せる?あなたのこと、もう少し聞かせて」
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