24: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/23(木) 19:38:11.04 ID:N9VhFuQzO
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スローモーションのように、あるいはソフトクリームが溶けるように、高層ビルが崩れ落ちていく。
逃げ惑う人々。立ちこめる黒灰色の煙。それはありきたりな言葉で言えば、地獄絵図そのものだった。
僕はそれを、画面越しに見ていた。音は聞こえない。仮に音があったとしても、爆音と轟音しか聞こえないだろう。
ホテルの客室から、窓の外を眺める。丸の内方面から、黒煙が立ち上っているのが分かった。もう、あのオフィスビルは瓦礫と化したはずだ。
僕は満足げに頷き、グラスに缶ビールを注ぐ。そして、僕以外誰もいない部屋で、「乾杯」と呟いた。
そう、僕の復讐は成されたのだ。
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