あの日出会ったメイドに自分の人生を歩く勇気をもらいました
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3:名無しNIPPER
2021/09/14(火) 23:10:47.14 ID:rGyABqrXO
少々お待ちください、と看板横の入り口から店の中に入った彼女は、すぐに扉を開けて「大丈夫です!」と僕を手招きした。

初めての世界に緊張しながら店内に足を運ぶと、入り口に置かれた木製のスツールに何人かのお客さんらしき男性が腰掛けてお茶を飲んでいた。そのうちの空いている一席に座るように指示をして彼女はお店の奥の方に進んで行ってしまった。とりあえず言われた通り、僕はリュックを下ろして腰掛ける。

入ってすぐのその場所がレジやら待ち合いスペースになっているらしい。レジに向き合っている女の子もいれば、お客さんと話している女の子もいた。お茶を飲んでる人たちは何なんだろうと思いつつもキョロキョロするのも恥ずかしくて、俯き気味に座っていると、レジに立っていた女の子に声をかけられた。

「こちらにお帰りは初めてですか?」

「あ、はい。そうです」

赤めの茶髪を頭で括った猫目の女性は嬉しそうに笑った。気持ちのいい笑顔をする人だ。さっきの子は僕より年下のようにも見えたけど、彼女はお姉さんのように思えてちょっと緊張した。

「あ、ご挨拶遅れました。私はミヤノと申します。よろしくお願いしますっ」

元気よく挨拶をされて、自分の名前を何と伝えれば良いか悩んで言葉を飲み込んでしまった。本名を伝えるのが普通なのだろうか?

えーっと、と言葉を探していると、キャッチで声をかけてくれた女の子が戻ってきて声をかけられた。

「コースはどうされますか?」

店内にある看板を指差して首をかしげられた。イマイチ良く分かっていないので、入店前に言われた言葉を思い出す。

「何かあの、初めての人のコースみたいなやつあるんでしたっけ?」

「ありますあります! そちらで良いですか?」


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