トレーナー「もう止めにしよう、この関係」
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22: ◆hQ4IRF95y.[saga]
2021/09/19(日) 22:36:34.23 ID:B51DvGru0
タキオン「ふ……私の負けだ、トレーナー君」

トレーナー「ああ、そして俺の勝利だ」

タキオン「ウマホテルにでも自宅にでも連れ込みたまえ」

トレーナー「連れ込まないよ!?」

タキオン「ちぇ」

トレーナー「…………まぁその、ちょっとは反省してる。普段は冷静なお前が、ここまで取り乱すなんて思わなかった」

タキオン「いや、取り乱した訳ではないんだが……。それは最初は酷く驚いたし、問答無用で押しかけてとっととモルモットにして連れ去ろうと思ったさ」

トレーナー「おい」

タキオン「だが私は考えた。「え? 彼にそんな、ウマ娘と爛れた関係になっておきながら捨てるなんて事ができるだろうか?」とね」

トレーナー「なんか少し悲しい気もするけど、まぁそうだな」

タキオン「もしそんなトレーナー君を認めてしまったら、私と君だけではない。君とこの学園の関係の全否定になる。なんせ誰も君の正体に気付けなかったという事になるんだから」

トレーナー「まぁそうだな?」

タキオン「この学園には裏事情に詳しいウマ娘もいるし、私よりも他者を見る目のあるウマ娘がいる。そんなウマ娘たちを掻い潜って? あのまったくウマ心の読めないトレーナー君が? うん、ありえない。というのが私の結論だった」

トレーナー「え? 俺ってそんなにウマ心読めてない?」

タキオン「今そんなふざけた事をのたまっている時点で、何も読めてないな。そもそも君、何故私が君をモルモットにしようとしているのか、本当に理解しているかい?」

トレーナー「え……いや、命の危機からの保護は多分嘘じゃないと思う。それだけじゃなくて、自分の担当トレーナーがそんな恥晒しみたいな噂を流されるほど隙だらけだから、怒ってたんじゃないのか?」

タキオン「難聴鈍感系主人公なんて今時流行らないよ」

トレーナー「何の話!?」

タキオン「良いか、この際ハッキリ告げておこう。私は君を愛している。君の私への献身、情熱、純粋さがそうさせた。君は私には勿体ないトレーナーだとすら思っている。だから私は、君が何人のウマ娘を担当しようとも極力目を逸らして来たんだ」

トレーナー「………………」

タキオン「思考停止している所すまないが続けさせてもらうよ。君は自分に何の魅力も無いと信じているようだから言わせてもらうが、君のようなトレーナーなんて後にも先にも現れないだろう」

タキオン「私が作る誰がどう見ても怪しい薬を何の不安も無く飲み干し、ゴルシ君の無理有り余る行動力にも全力で付き合い、タイシン君のような気難しいウマ娘とも熱心に付き合い、エアグルーヴ君に罵倒されながら会長の期待に応え、スペ君とオグリ君の豪快な食欲を笑顔で見守る……」

タキオン「どこの誰に、君のような無茶が出来ると思う?」

トレーナー「改めて言われると、我ながら滅茶苦茶だな」


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