604: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/12/01(水) 23:06:56.65 ID:GSnRKpMv0
胸の内で反省をして、本題を促す。
「わたしに何かご用ですか? 近頃、先輩がわたしの方をチラチラと見ていることと何か関係があるのでしょうか」
「気付いてたなら言えよ。でも生徒会だと乙葉先輩にドヤされるか。言わなくて正解だ、助かった」
「乙葉先輩も気付いていましたけどね。セクハラを受けてるなら相談して、とも言ってくれました」
「ぐ……。ほんとあの人は……」
こめかみに手を当てて「はぁ」と溜め息を吐く先輩。いけない、本当に意地悪をし過ぎている。
今度こそ本題へ。明日も学校だし。
「ここじゃあ人通りが全く無いわけじゃない。夜はまだか? よければ一緒にどうだ」
「ありがとうございます。ぜひ、御相伴に預からせて下さい」
「よし、じゃあ行くか」
先輩の隣を並んで歩く。
思えば、こうして男の人と並んで歩くのは……あぁ、ほぼ毎日、神宮くんと生徒会室まで行ってるっけ。それを除けば、初めてのような気がする。
先輩は目測で180cmくらいはあるし、並ぶと私の背の低さが際立つ。どうにかして背を伸ばしたいところだけれど、高校生になってしまった今ではそれも難しい。
「何がいい、奢るぞ」
「今日はお魚の気分です! お刺身、煮付け、フライもいいですね」
「じゃああそこにするか」
先輩には思い当たるお店があったようで、迷いなくお店へと向かう足が進む。
道中、学校に慣れたか、とか、生徒会に慣れたか、とかそんなことを話した。他の人に聞かれても困らないような他愛のない雑談を。
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