603: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/12/01(水) 23:06:28.15 ID:GSnRKpMv0
そんな先輩がわたしを追ってきていたことは本屋を出て少ししてから気が付いていた。流石に数多くの生徒で賑わうケヤキモールの中で誰か特定するのには骨が折れたけれど、近頃の生徒会における先輩の動向を思い出せば納得がいった。
このタイミングで接触してきたか、なんて。
「この先にご用ですか?」
「あぁ、この先に……いや、違うな。天音のことだから、全部計算尽くか? 俺が追っていることも気付いていたんだろう。思えば、何度も携帯を取り出すのも露骨すぎた」
「む、そうですか? 携帯のカメラで前髪を直す素振りをして背中の方を確認するなんて、誰でもやっていることだと思っていたのですが」
「お前なぁ……。気付いていたなら立ち止まれよ」
「目立つところで立ち止まっても良かった、と?」
「そういう話じゃない。まぁいい、お前はそれくらい好戦的な方が良い」
好戦的……というより、生意気な後輩?
いくら同じ生徒会に属していて距離が縮まっているからといって、少しやり過ぎたかもしれない。
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