529: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/11/11(木) 23:48:43.56 ID:yneQpvKSO
話が一区切りついたと思っていたためか、雨宮さんは「まだあるんだ」と相槌を打ってから、きちんと聞く態勢に戻ってくれた。
「雨宮さんのこと気付いてるっぽいの。というか、確信を持ってるみたいだった」
「─────そっか、うん。それで?」
「ええと、雨宮さんと一緒に遊びたいって」
「ふぅん。遊ぶ、ねぇ」
わたしは雨宮さんの表情で即結するつもりだった。
もし嫌そうな顔をしたら即、望月くんと企画書を持ち込んでくれた東雲さんには悪いけど、この件は断ると。
しかし実際に彼女の表情を見て、わたしは決めかねていた。
それは喜怒哀楽のどれにも属さない表情。人の表情から心理を見抜くことについては人一倍の自信があったけれど改めなければならない。あるいは、女優として活躍する彼女が表情を作ることに慣れているのか。
どちらにせよ、わたしは言葉で尋ねる手段を選ぶ。
「それで、これが企画書……」
「企画?」
東雲さんから預かった企画書を机の上に出すと、雨宮さんはパラパラとめくり始める。
たった数秒で目を通した雨宮さんは、
【コンマ判定
4:なんとも言えない表情をした。(断る)
それ以外・ゾロ目:口元を釣り上げて微笑んだ。(承諾)
下1のコンマ1桁でお願いします。】
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