【安価】ようこそ実力主義の教室へ
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528: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/11/11(木) 23:48:11.93 ID:yneQpvKSO

 実際のところは血の繋がっていない兄妹らしいけれど、それはわたしの口から話すべきではない。
 ちなみにあの2人は、わたしから見ると似ていない。ただ血の繋がりについて伏せられていれば、きっとわたしも「言われてみれば似てるような」と同じ感想を抱いていたと思う。

「それで望月くんは一つの条件を出して、『いのしし組』では完全勝利を約束してくれた。その他の組については何も取り決めていなかったから、今朝のようなポイント差になったのは当然の結果だね」

「いや、そこ冷静に言うところ? 教えていなければ『いのしし組』も含めてもう少し他クラスとの差が均等になっていたんじゃない?」

「それは……うん。否定は出来ない。ごめん」

 確かに『いのしし組』では完全勝利を収められたけれど、結果的にはAクラス以外がクラスポイントを落とす形になった。無論、わたしたち元Cクラスも含めて。
 ……うん、わたしの所為かもしれない。
 あの2人の関係を知って冷静でなかったのは事実。
 そして、よく思い返してみれば今回の件はわたしにとってメリットが小さかった。『いのしし組』の完全勝利の代償として、クラスポイントの均衡と雨宮さんの件を引き受けているのだから。
 胸の奥にモヤモヤとした感情が滲み出る。
 ただ約束は約束。こればかりは可能な限り果たす努力をしよう。

「『いのしし組』の試験についてだけどね。あの日、8時の通達からすぐに試験終了の連絡が来たでしょ? あれって望月くんが即投票したみたいなの」

「あー、そっか。そこに繋がるワケね。それで私たちだけ話し合いの場が無かったと。嬉しいような残念なような。で、当たってたんだ」

「うん。今朝に正解報酬の50万ポイントが支給されている画像が送られてきたよ」

「ふーん、そっか。ま、良かったんじゃない? 負けもせず勝てもせずってかんじだったけど、Bクラスに上がれたワケだし」

「そうだね、そこは喜ぶべきだと思う。今朝、一色くんが言っていたみたいにね。……それでね、望月くんのことなんだけど」



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