495: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/29(金) 22:00:16.81 ID:5KhXMOCj0
【>>493
8:翌日】
昨晩の衝撃は今でも鮮明に思い出せる。
いやぁ……そっかぁ。居るところには居るもんだね。
そういった第三者の視点でしか語れないところがもどかしいけれど、それ以上もそれ以下でもなく、彼らは血の繋がっていない兄妹という事実だけが確かにある。
ここでふと考えてみると、この世には兄妹同然に育ってきたから義理の兄妹なんてものから、兄妹の契りを盃で交わすこともあると言う。
最も、後者は兄妹というより、強面の叔父様が兄弟の盃を交わすイメージの方が強いけれど。
結局、気になるのは彼らの出自について。
5月1日の朝にお兄さんの方から余計な詮索はするなと釘刺されていても、気になってしまう。あの2人はどういった経緯で兄妹に至ったのか。
と、そんなことを考えながら校門を通り過ぎたところで、目の前に聳え立つ巨大な校舎の目立つところに設置されている時計が目に入る。
「……あ」
短針が8を、長針は12を指している。
5月30日の朝8時。
1年生の間でのみ実施されている特別試験の通達最終日。干支の最後、『いのしし組』の発表当日。
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