【安価】ようこそ実力主義の教室へ
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490: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/28(木) 22:30:45.46 ID:Tcd2BeMpO
 彼と繋がっている人物を探る手間が省けた。このままわたしが彼の携帯を手に取り、画面を見れば誰と通話中であるかはその場の証拠として押さえられる。

「詰めが甘いけど、及第点だ」

 携帯を手に取った瞬間、彼はそう口にした。
 決定的な証拠である携帯の画面を見る、あるいはその言葉の真意を頭で理解する前に─────。

「入ってきていいよ」

 彼の一言の後、間も無くしてカラオケルームの部屋が第三者によって開かれる。

「どうやら機転も効くご様子。これは益々、わたくし共と一緒に来ていただく必要性が高まったのでは?」

 そう問いかける第三者。
 一歩、そして二歩と踏み出して部屋に入ると、扉を閉めた上で彼女は長いスカートの裾を摘んで恭しく挨拶をして見せる。

「こんばんは、春宮さま。兄が失礼をしたようで、妹としてまず謝罪を。大変失礼いたしました。お戯れが過ぎたようですね」

 情報の多さに、わたしの頭は一瞬だけ澱む。
 兄? 妹? そして、この人は─────。


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