491: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/28(木) 22:31:16.72 ID:Tcd2BeMpO
「……えっと、兄弟なの? 東雲さんと?」
「生憎、血は繋がっていないけどね」
望月くんが頷いて肯定したことで、段々と理解も及んでいく。
つまり、1年Cクラスの望月弘人は、1年Aクラスの東雲雪菜と血の繋がっていない兄妹ということ。
これはこの学校に入って、それこそ雨宮さんの正体を知ったことの次に衝撃を受けた。
「兄様。ここはやはり、他の者から携帯を借り受けるべきだったのでは? こうなることは予想できていたでしょうに」
「それはそれでつまらないだろう?」
望月くんの隣に腰をかけた東雲さんは兄妹で距離の近い話をし始める。
話の内容は理解できる。
わたしが電話を掛けることを予め察して、他の人から携帯を借りて東雲さんと通話中にしておく。その後、わたしは先の流れに沿って望月くんの携帯を取り上げたものの、通話の履歴は一切見つからなかった─────なんてオチの未来もあり得たということらしい。
詰めが甘いと言われたことにも納得がいく。
「というわけで、こんなかんじだ。これから先、妹共々よろしく頼むよ。で、Cクラスの『王様』の件だけど。聞かせて貰えるかな?」
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