489: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/28(木) 22:30:17.54 ID:Tcd2BeMpO
【>>488
0:「待って」
待って、とは言いませんでした。
申し訳ありません。】
わたしは、テーブルの下から携帯を取り出して画面の方を望月くんに見せつける。
「教える前に、まずはこの事を話さないとだよね」
携帯の画面上部には『望月弘人』と、下部には『通話を切る』マークが表示されている。
この画面は他でもない、電話の画面。
5分ほど前から掛け続けているものの、テーブルに裏返しにして置かれた彼の携帯は着信音を鳴らすことも、バイブレーションで着信を報せることもしていない。
この事が指し示すのは、彼の携帯の充電が切れているか、通話中のどちらか。更に、このカラオケでは携帯の充電器の貸し出しを無料で行っていることから、自ずと答えは一つになる。
「見せなくていい。わたしが見るから」
彼はテーブルに置かれた携帯に手を伸ばそうとするが、その前にわたしが静止する。
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