480: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/24(日) 22:47:00.88 ID:tOhkUR4E0
扉はすぐ、向こうの方から開かれた。
「ごめんね、わざわざ」
「ううん、いいの。でも珍しいね」
「そうかな? あ、何か頼みたいものがあったら注文して。そこのタブレットから出来るから。僕はさっき注文したから大丈夫」
そう言って、望月くんが腰を下ろしたソファの向かいにわたしも座る。
彼は数十分は前に来ていたらしく、アイスコーヒーがもう氷の溶け水でかなり薄まっていた。次の飲み物も頼んでいたようなので、わたしはアイスティーを注文してタブレットを閉じる。
ここは基本的にドリンクバー形式を取っているものの、サービス料を支払えば持ってきて貰うことも出来るらしい。1杯につき100プライベートポイントというのは、少々高額な気もする。
「僕の話はすぐに済む。せっかくだから少し歌っていってもいいけど?」
「明日も学校だから、早めに本題に入ってくれると嬉しいかな」
そこだけは譲れない、と学校を免罪符にして本題に入ることを促す。
彼は肩をすくめるような仕草をした後、薄まったコーヒー風味の水をストローで飲み干してから話し始める。
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