464: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/20(水) 00:31:32.81 ID:mJbNyI7e0
なんであれ、結構驚いた。
「えっと、なにか……?」
「いえ、春宮さんの視線を感じたものですので。何か用があるのかな、と思ったのですが」
「……あぁ、すみません。つい見つけたので目で追ってしまっただけです。申し訳ありません」
見られている気がする、という感覚には覚えがあるため先生がわたしに気が付いたことに違和感はない。
わたしは素直に白状して頭を下げる。
「そうでしたか。頭を下げる必要はありません。そうだ、春宮さんは夕食の予定は決まっていますか?」
「夕食ですか? 決まっていませんけど……」
「もしよろしければご一緒にいかがですか」
この流れはもしや、と胸の奥に感じた直後、それはそっくりそのまま伊藤先生の口から提案されることになる。
先生と夕食かぁ。
全然嫌ではない。むしろ少し話してみたいなと思っていたため、この機会は絶好と言える。
断る理由もないし、わたしは頷くことにした。どうして誘っていただいたのかは不安で未知だけれど。
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