463: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/20(水) 00:30:55.62 ID:mJbNyI7e0
【>>462
ゾロ目(99):先生】
レストラン街へと向かう途中、シワの寄った背広姿を見つける。他の誰でもない担任の伊藤先生だった。
校舎の中であればもう見慣れたものだけど、校舎の外で見かけると心配や不安、そして恥ずかしいという余計な感情まで湧き出てくる。
「……」
話しかけるか迷っている内にケヤキモール内のレストラン街に到着する。奇しくもここまでの道のりが一緒だったため、自然と背中を追うような形になってしまった。
一度周囲のお店を見渡して心に決める。
よし。特別先生に用がある訳でもないし、業務後にまで生徒に付き合わせるのは憚られるため先生を尾行するような真似はやめよう。
さっと外食を済ませて、部屋で勉強したりテレビを見たりしようと意気込んだとき、目の前に黒い影が現れた。
「っ、せ、先生……!」
他の誰でもない伊藤先生だった。
ずっとこちらには背中を見せていたはずだけど、振り向いた際にわたしに気が付いたのか。
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