443: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/14(木) 00:36:10.86 ID:6fC21ecn0
「そう……ですよね。失礼いたしました。貴女のことは見かけた覚えがありませんでしたので、お伺いするまでもありませんでした」
掴めない話に、わたしは「はぁ」と相槌を打つことしかできない。
東雲さんは一息つくと、改めていつも通り微笑んでくれる。
「四条様、春宮様、お時間を戴き感謝いたします。それではまた」
ご機嫌よう、とくるぶしまであるロングスカートの裾を摘んで、頭を下げる。
お嬢様然とした姿につい見惚れてしまいながらも、これで身の回りは落ち着いた。東雲さんの言っていることのほとんどは分からなかったけどね。
「まずはお昼ご飯にしましょうか」
「あ、うん。そう……ですね」
イベントが始まる前と後で、先輩がわたしを見る目が少し変わっていたような気がしたけれど、……うん。
それは多分、気のせいじゃなかったと思う。
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