272: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/23(木) 14:47:17.47 ID:rlQZRnFe0
ここはありがたく教えて貰うことにしよう。
「わかりました。それではよろしくお願いします!」
「はい、それじゃあ行きましょうか」
わたし達は2年生の寮へと向かう。
1年生の寮から近い距離にあるその建物は、この1ヶ月間で近付いたこともなかった。
中の造りはまったく一緒のようで、ほぼ1年生の寮と変わらない風景を目にエレベーターを上がる。13階で降りたわたしたちは、そのまま夏帆先輩の部屋にお邪魔する。
「わ、かわいいお部屋ですね」
「そうかな? あまり意識してなかったんだけどね」
カーテンとか掛け布団とか、所々にピンク色が使われている。目に痛くない程度の薄い色は、第一印象で女性らしい可愛らしさを彷彿とさせる。
未だに白一色なわたしの部屋とは大違いだ。
「乙葉先輩はテレビでも見て待ってて下さいね」
「うん、楽しみにしてるよー。頑張ってね、天音ちゃん」
「はい!」
手をふらふらと振る乙葉先輩を居間に置き、わたしと夏帆先輩は台所に立つ。
部屋の作りもまったく一緒のはずだが、調理器具や調味料の整い方はわたしの部屋とは段違いだ。特にスパイスの量が尋常ではない。おそらくスーパーで販売されているものは全て揃えているのだろう。
608Res/522.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20