271: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/23(木) 14:46:50.25 ID:rlQZRnFe0
夏帆先輩は乙葉先輩の手懐け方を熟知しているように、口を挟む暇を与えず次々にクッキーを与える。
「天音ちゃんにはお世話になってますから、私に出来ることであればなんでもしますよ?」
先日ユキ先輩に相談した料理上達の件。
裏から手を回していてくれたようだ。
ありがたく、この機会に告白してしまおう。
「わたし、全然料理が出来なくってですね、夏帆先輩に教えていただくことは出来ないかなーって」
「そんなことでいいんですか? それくらいならお任せ下さい! 洋食屋の娘として、きっと天音ちゃんを料理上手にしてみせます。天音ちゃんには運動部の対決でお世話になっていますからね」
夏帆先輩は笑顔でそう快諾してくれた。
初めて運動部への道場破りを促されるままに行ってきて良かったと思った。
「ええと、いつがよろしいですか? この後、乙葉先輩と私の部屋でご飯を食べる予定でしたが」
「あ、そうですね…。20時から予定があるんですけど、なんとかなったりしますか?」
「簡単なものなら間に合うと思いますよ。あと1時間と少しありますからね」
左手に付けたレディース用の腕時計を見て、夏帆先輩は答えてくれる。
何をしようかと考えていたが、ちょうど有効的に自らを高めることのできる機会に遭遇できた。
608Res/522.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20