246: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/21(火) 22:04:00.36 ID:6iS857jM0
◇◇◇
朝のホームルームを報せるチャイムが鳴ると同時に、くたびれた背広を着た伊藤先生がやって来る。
表情、無精髭、ボサボサの髪、足取り、その全てが先週と何ひとつ変わらなかったものの、なんだかいつもと異なる雰囲気を感じた。
教壇に立ち、出席簿を教卓に置いた直後、教室前方から早速声が上がる。
「せんせー、今日のポイントなんですけどー。71000ポイントってバグっすか? いや十分ではあるけど、足りないっていうかー」
そうそう、とクラスから賛同の声が上がる。
1人暮らしのため様々な出費が嵩むとはいえ、71000円分のポイントは高校生にとって多すぎる。
寮の宿泊費や電気水道ガスなどが徴収されない以上、食費を抜いても十分すぎるほどに余る。そのため強い声こそ上がらなかったものの、多少の意見はこうやって飛び出る。
「今から説明します。えー、Cクラスの皆さんはよく聞くように」
「C? いや、せんせ─────」
先生の後ろにある電子黒板の画面が切り替わる。
Aクラス:979ポイント
Bクラス:719ポイント
Cクラス:710ポイント
Dクラス:435ポイント
608Res/522.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20