225: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/20(月) 12:00:27.47 ID:ClJgpcB/0
【>>224
1:ユキ先輩から一通の通知が届く。制服に着替えて、体操着とジャージを持ってこい、と。】
外行きの服に着替えようとしたところで、机の上に置いていた携帯がピコンと通知音を鳴らせる。
少し早いがユキ先輩だろうかと考えながら覗き込むと、制服に着替えて体操服とジャージを持って学校の正門前集合と書かれている一文を目にする。
確かにケヤキモールでランチとか、そういった取り決めはしていなかった。
少々予想外だが、特別わたしの方でもこのお店に一緒に行きたいとか希望があったわけではないため、すぐ了承の旨をチャットで送る。
「さて」
ちょうどウォークインクローゼットから私服を取り出したところだったが、すぐにしまう。
その代わりに制服と体操着、ジャージを取り出す。
この学校は休日であっても制服でなければ学校の敷地には入れないというルールがある。職員室でもプールでもグラウンドでも、その限りではない。
やや面倒だなとか、部活やってる人は大変だなとか考えながら支度を済ませる。
「行きますかっ」
念のために水着も含めて、忘れ物がないかをチェックしてから部屋の戸締りをして部屋を出る。
エレベーターに乗ると偶然Aクラスの女子と遭遇する。彼女とは神宮くん待ちでAクラス前で佇むとき、たまに話している仲だ。
「わ、春宮さん、今日も学校に? 生徒会?」
「ううん、ちょっと先輩と約束をね」
「へぇー、暑いのに大変だねぇ」
二人揃って寮のロビーを出ると、むわっとした熱気が襲ってくる。年中ブレザーの制服を強制されている学生にとって、とても辛い時期に入っていくと改めて実感する。
寮を出たところでケヤキモールへと向かう彼女を見送り、わたしは学校の方角へ。学校までが徒歩五分圏内であることが唯一の救いだろう。
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