218: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/19(日) 18:16:26.06 ID:wv2ppvvR0
先には一人の男子生徒が居た。
「チッ、もう馬鹿共が寄ってやがる。人の噂ってのはあっという間に広がるもんだな。なぁ、宇垣」
見覚えのある銀髪の男子生徒に続くように、体格の良い男子生徒が三名出てくる。その内の一人、おそらく宇垣くんは同調するように笑みを浮かべる。
「今日はアイツの退学祝いに─────っと」
そして偶然、銀髪の男子生徒とわたしの目が合う。
ゆっくりと人だかりに突っ込むようにわたしの方へと向かってくる。自然と彼とわたしの間には無人の道が出来上がっていた。
「なんだ、お前も来たのか。春宮」
クク、と彼は笑って見せる。
薄気味悪い笑い方は、見た者の背筋を凍らせる。
「この一件、興味があるのか?」
「退学になるって相当だと思います。何をしたのか教えて貰えますか?」
「それは生徒会としての言葉か?」
「いいえ、わたし個人のです」
わたし達から距離を取りつつも、取り囲むように人だかりが出来ていた。全員が退学になった理由を知りたいのだろう。
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