217: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/19(日) 18:15:53.07 ID:wv2ppvvR0
わたしが入学間もない頃に危惧した事態は回避されたと見ても良い。これで一安心して月初を迎えることができる。
そう、思っていたとき─────。
「Bクラスのヤツが退学になったってよ!」
つい先ほどクラスを出ていったばかりの、クラスメイトの一人が慌てた様子でそう言い放った。
退学? 聞き間違い?
「なんか派手に喧嘩したみたいでさ。Cクラスのヤツがひでぇ怪我してて、それをやったのは俺だってBクラスのヤツが自白したらしくて……」
このクラスから加害者と被害者が出なかったのは幸いだが、その話は非常に居た堪れないものだった。
怪我の具合も気になるし、退学という処罰の重さ。殴って蹴って骨折程度でも停学が落とし所だと思い込んでいた。
わたしはその話を一番よく聞けそうなBクラスの前へと赴く。するとBクラスの前だけやけに人が集まっているのが遠くから見ても分かった。
その中に神宮くんが居るのを視認して近付く。
「あぁ、春宮さん。聞いた? あの話」
「うん。でも、信じられなくて─────」
その時、ガラッとBクラスの扉が開かれる。
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