155: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/13(月) 22:03:32.71 ID:t1CcS+Yh0
それから一分ほど経つと、三人がほぼ同時に悲鳴に近い唸り声をあげる。どうやら負けたようだった。
「やっぱ四人じゃないとキツイな」
「ユキちゃん入れてもう一回やる?」
と、放課後の生徒会室は随分とゲームで盛り上がっているようだった。
上級生の輪に入れず肩身を狭くしていると、隣の男子生徒が近寄ってくる。ついさっきまで携帯に目をやっていたが、今はわたしの顔をジッと見つめている。
「君、可愛いね。一年だっけ。連絡先交換する?」
「あ、はぁ……」
「ほらー、困ってんじゃん。ごめんね天音ちゃん。コイツのことは基本無視でいいから」
ここでようやく携帯を閉じ、乙葉先輩はソファに座り直す。そしてぐっと身体を伸ばして一息ついてから切り出す。
「で、わたしに何かご用?」
「先日のお礼に、お茶でもどうかなって。もちろん錦山先輩もご一緒に。……迷惑でしたか?」
「ぜんっぜん迷惑じゃないよ! 行こう! 今すぐ行こう! 新作の苺のヤツ飲みに行こう! うっちー以外で! あー、二日ぶりの糖分だ! 山菜定食はどうにも食べた気がしなくてねー」
そう言って立ち上がる乙葉先輩。
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