127: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/11(土) 11:14:37.92 ID:OCYa+xYb0
◇◇◇
寮のフロントで早見さんの部屋番号を尋ねると、割とすぐに教えてくれた。クラスメイトであることを最初に伝えたのが大きかったんだと思う。
この寮ではインターホンが二種類ある。
一つ目は、玄関である一階のインターホン。
二つ目は、部屋前のインターホン。
例えば他学年の生徒が訪れるときなどは、まず玄関のインターホンを鳴らした後、玄関に入るためのロックを解除して貰う必要がある。その後、エレベーターを使って目的の部屋の前でインターホンを再度鳴らすといった二段構えだ。
部屋番号を聞いた以上、直接部屋の前まで行ってインターホンを鳴らすことはできた。しかしそれでは驚かせてしまうだろうと考え、わたしは玄関から彼女の部屋を呼び出す。
間もなくして応答があった。
『────春宮、さん?』
「うん、さっきはごめんね」
呼び出し機に併設されたカメラからわたしのことを視認した早見さんは、安堵したような声を漏らす。
『いえ、あの、待ってていただけますか? すぐに降ります』
わたしは頷く。
それから三分ほどで、まだ制服姿の早見さんはエレベーターを使って降りてくる。
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