122: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/11(土) 11:12:17.74 ID:OCYa+xYb0
わたしが飲んだのを確認した後、早見さんも一口。
かなり美味しかったのか、表情に出ている。
「本格的な授業は明日からだね」
「そう、ですね…。今日は説明だけでしたから、実際には明日からになるんだと思います」
「タブレットを使った授業なんて、わたしの通っていた中学校では露ほども話に上がらなかったからさ。新鮮な気持ちだよ」
「……そうですか」
一転、やや暗い空気を漂わせる。
わたしの言葉に反応してのものか。だとすれば『中学校』というワードが高確率で引っかかる。
彼女が機械に疎ければ『タブレット』そのものに対して嫌悪感を抱いている可能性もあるが、携帯と学生証端末の操作に困っているようには見えなかったため、それは除外しても良いだろう。
今は距離を縮めることが大事だ。
別の話題で話し込むことにしよう。
「そういえば早見さんはさ────」
話を切り替えようとしたとき、向こうの方からやってくる生徒に視線を取られる。
身長は百七十五センチ程度、銀色の髪色が特徴的で制服を着崩した男子生徒。公共の場を我が物顔で歩くその姿は、傲慢な態度そのものだ。事実、彼の周辺からは人が避けるように消えていく。
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