【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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◆FaqptSLluw
[saga]
2021/12/27(月) 21:15:15.74 ID:il/KSp010
「”夢十夜”――夏目漱石の?」
『うん。トレーナーちゃんを待ってる間、いろんな本を読んでてね――それで、心に残ったのが、”夢十夜”……とりわけ、第一夜だったんだ』
”こんな夢を見た”のワンフレーズがとりわけ有名なそれは、夏目漱石によって著された、短編小説集だ。
第一夜から第十夜までが綴られており、どこか胡乱な気配のする文章が特徴だ。
そんな中でも第一夜はとりわけ胡乱――幻想的な内容だ。
その内容は――。
「……100年待ち続ける男の話、だったか」
『うん。最後には埋めた女の人が、百合になって男の人のところに戻ってくるって話。――知ってる?』
「まぁ、教養として、もちろん」
逆に第一夜以外は知らない。それくらいに、夢十夜の中で”第一夜”というのはとびぬけた知名度を持つ。
それがどういう理由かは、わからないけれど。
『あれを読んで、トレーナーちゃんに記憶を戻してもらった時”わかっちゃった”の』
「”わかった”って、何を?」
『きっとマヤは、あの百合の花なんだ、って』
「――百合の花?」
俺がそう返すと、マヤノは小さく肯定する。
『……トレーナーちゃんは、どうして女の人が”百年待っていて下さい”って言ったんだと思う?』
「わからない。でも……あてずっぽうだけど……女の人は、男のことを、好いていた」
『マヤもそう思うな。そして男の人も、女の人のことを、好きだった』
「じゃなきゃ、百年も待てないよな」
そこまで言って、なんとなくこの話の稜線が見えてきた。
「マヤノが花で、俺が男の人ってことか?」
『うん、そういうこと!』
ぴんぽんぴんぽん! と嬉しそうに声をあげるマヤノ。
なるほど、彼女らしい感情移入の仕方だ、とは思う。
けれどそれだけなら、この世界にはもっと彼女の興味を引く作品はあるはずで。
だから猶更、何故マヤノが”第一夜”に興味を持ったのかが気になった。
それに違和感もある。
「……普通、逆じゃないか?」
『うん、そーだね。だって、マヤのいる世界から消えたのはトレーナーちゃんだから』
「じゃあ、なんで俺が男の人なんだ? 性別で決めた、って話でもないだろ?」
うん、と頷く声。
『だって、トレーナーちゃんはずーっと、マヤのこと待っててくれたんでしょ?』
「……まぁ、そうだけど」
『だったら、100年後に合う……百合の花に、マヤはピッタリなんじゃないかなって』
ほんとはそんなに過ぎてないけどね、とマヤノは小さく笑った。
俺がいなくなってから、マヤノが天寿を全うするまで。
確かに100年ではないけれど。なんだか、確かにその通りだと思えた。
『それに、キスするなら……』
「……キス?」
『……うぅん、何でもない。とにかく、トレーナーちゃんは男の人で、マヤは百合の花なの!』
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