【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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249: ◆FaqptSLluw[saga]
2021/10/04(月) 01:31:04.85 ID:y4Erd8qR0

「……やぁ、トレーナーくん。いきなり呼び出してすまないね」


 校門前にたどり着くと、そこには既にルナが立っていた。

 いつもの制服姿ではなく、黒を基調としたラフなルームウェア。少し新鮮さを感じるが――気にしなければならないのはそこではない。


「何かあったのか?」
「……少し、話したいことがあってね」


 ルナは言うと、近くに設置されている遊歩道へと俺を手招きした。

 確かに校門前ではそれなりに目立つし、人が通りかかる可能性もある。

 俺は素直に、ルナの招きに追随することにした。





 夜の遊歩道は、夜だというのにそれなりに明るい。月の光が街灯代わりになっているようだ。

 虫と風の音を聞きながら、静かに遊歩道を歩く。

 こうして夜のトレセン学園をゆっくり歩くのも久しぶりだ。大体はトレーナー室で仕事を終えたら、そのまま職員寮へ直帰するからなぁ。

 たまにはこうして散歩することも必要なのかもしれないな、とふと思う。


「……ふふ、ようやく元の君に戻ったようだ、トレーナーくん」
「元々の俺?」
「ああ。私が大事な話をするかも、と思っていたのだろう? 緊張しているように見えたからね」


 小さくルナが笑う。その笑みを見て、確かに余裕がなかったな、と思った。

 まぁ余裕がなくなっていたのも元はと言えばこの連絡のせいで――。


「まぁまぁ、そう怒らないでくれ。話をしなければならなかったのは本当なのだから」
「……で、その話って?」
「――君のループについての話だよ、トレーナーくん」


 その一言で、俺の中に潜んでいた小狡い怒りは直ぐに霧散した。

 確かに、俺はツインターボとのやり取りの中で少し疑問に思っていたことがある。

 近々話すべきかと思っていたところだったから、まさしくクリティカルヒットと言うべきだろう。

 ……ルナは、どうやら俺のそんな思惑も読めていたらしい。いつもの微笑みを浮かべて、「何から話そうか」と一瞬逡巡した。


「そうだな、話すことが多いから――トレーナーくん、君のこのループという現象についての見解を聞かせてくれるか?」
「……ループについての見解、ねぇ」


 静かに考える。ターボと話したとき、感じた疑問点。

 それは――ループ後は一体どこに"ループ"しているのか。

 何となくだが、平行世界のような場所に移されている、と考えていた。でもターボと話した後、なんとなくその答えに違和感を感じた。

 適宜的に平行世界とするが、平行世界に俺がループしたとする。であれば、奇妙な点が一つ発生する。

 ……過去に関わったウマ娘たちが、ほんのわずかだが俺との記憶を保持していること。

 平行世界にループしたのであれば、過去に育成したウマ娘とこの世界に居る同名のウマ娘は別の存在。俺の考え得る限りでは、記憶を継承する要素は皆無だ。

 そのことを考えれば――ある程度の推察は立つ。


「……同じ世界線をループしてる、とか」
「……ふむ、詳しく聞かせてもらえるか?」
「ルナをはじめとして、過去に担当したウマ娘には大なり小なり記憶の継承が行われる。継承が行われるという事は、この世界が"前回ループした世界"と地続きであることが予測できる。逆説的に、記憶の継承が行われるという事は、平行世界への移動などは考えづらい」


 なるほどな、と頷くルナ。瞳に輝く知性の色が、ことさらに濃くなったように見える。


「これは仮にそうなのかもしれない、という話だが――紙の中央に一本線を引いて、丸めて端と端をくっつけた自称じゃないんだろうか、このループという現象は」
「……そこまで考えが及んでいるのであれば、大丈夫だな」


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