25:名無しNIPPER
2021/09/04(土) 16:33:28.59 ID:5gEASRLV0
お城に入ってから、もうそれなりに時間が経ったでしょう。
そう思ったころ、道に沿って歩いていく先に看板が立ててあるのが見えました。
「サヤさん、看板がありますよ」
少しずつ正気を取り戻し、また元気になったサヤさんも看板を見ます。
「ほんとうだ、ありますね。何と書いてあるのでしょうか」
「どれどれ…」
私は看板に書いてある文字をひとつひとつ読み上げました。
「みなさん、このお化け屋敷も中間地点へとやって来ました。ここから先は沢山の迷路になっていますが、同時に出口も沢山あります。どのような出口を迎えるのか、出口を見に、レッツゴー…」
うーん、前にも見たことがある文句があるような
そんなことを考えていると、サヤさんが言いました。
「また運試しのようなものが待っているのですか。ぼくはもう怖いものは見たくありません」
サヤさんは心細そうにしながらも、少し怒ったかのように頬をふくらませ、腰に手を当ててみせます。
「まぁまぁ、今度は出口ですから。また変な魔法がかけられているとは限りませんよ。しかし、どうもこの遊園地は、あみだくじのようなものが好きなようですね」
私は少し考えました。
お化け屋敷に出口がいくつかあるなら、それは外につながっているはずです。
それなら…
私は明かりをつけていた杖の先から、細い細い煙を出します。
「これは僅かな気流もキャッチすることができる魔法です。こうすれば、出口も見えてくるでしょう」
すると、煙はすぅっとある道へと続いて行きます。
「こっちのようです」
私が煙が漂う方向へ歩くと、サヤさんは、おぉ…と期待を込めた表情であとに続きました。
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