9:名無しNIPPER
2021/08/31(火) 17:47:13.53 ID:zwE4/74sO
この世にあるラブソングは全て仮想の物語で、私に実体験として訪れることは無いと思っていた。
だからこそ、最近流れてくるこの歌がやたらと気になって仕方が無かった。歌っている内容はとても甘いラブソングで、ヒットチャートにある他のグループとも大差が無い。それなのに、歌い方なのか声なのか、それとももっと本質的なところなのか、果たしてその理由が何かは分からないけれど、私にはとても苦しそうに歌っているように思えた。
この歌のような甘い出来事は英語で言うところの仮定法のような。叶わないと知りつつも、そう願っていると伝わるような。そんな歌い方だった。
シュガーキャンディーというらしいタイトルにしっくり来るような歌詞なのに、とてもビターな響きの歌で、それが何となく生温い絶望を私に与えた。
こういうありきたりらしいラブストーリーに憧れが全くないわけではなかった。けれど、私にはそういう生き方ができないと思って割り切って、だから世にある少女漫画やラブソングを仮想の素敵な物語として受け容れることができた。
それなのに、この歌は私に改めて「お前にそんな体験は訪れないよ」と伝えているような気がして、分かってはいたはずなのに胸を締め付けられるような気がした。
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