【ウマ娘】小さなトレーナーと白い奇跡【みどりのマキバオー 】
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38: ◆Nsqe9nXw7g
2021/08/08(日) 00:04:30.50 ID:OS/CCdyu0
 左回りのコースでまず先に前へ出たのはダイワスカーレット。それを追う形でマックイーン、ウオッカが続いている。風を受けてたなびくツインテールが実にうっとうしい。すかさずマックイーンは大外を狙い右側へと抜けようとした。しかし、背後から向けられた凄まじいプレッシャーがマックイーンの追い抜きを止めた。

 後方を横目で確認すると、すぐ斜め後ろには殺気めいた視線と闘気を放っているウオッカがいた。マックイーンはこれに似た感覚を知っている。春の天皇賞にて自身の連覇を阻んだライスシャワーが仕掛けてきたものと非常によく似た走法。しかし、プレッシャーの質そのものはまるで違っていた。ライスシャワーが放っていたものは息が詰まりそうなほど凄まじい重圧だったのに対して、今のウオッカが放つプレッシャーはまるで鋭利なナイフ。背筋をぞくりとさせるほどの冷たささえ感じる威圧は隙を見せた瞬間に背後から刺されるのではないかと錯覚するほど研ぎ澄まされていた。

 先行するダイワスカーレットも、背後のマックイーンを絶対に前へ行かせまいと意識を耐えずこちらへと向けているのがわかる。この二人は確実に自分を仕留めるための走りをしている。普段いがみ合っている二人とは思えないほど、見事なまでのコンビネーション走法。加えて、マイル距離ということもありじっくりと打開策を見出す時間さえ与えてもらえない。マックイーンは焦りがまるで毒のように思考を蝕んでいくのを感じていた。


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