【ウマ娘】小さなトレーナーと白い奇跡【みどりのマキバオー 】
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32: ◆Nsqe9nXw7g
2021/08/07(土) 23:58:34.44 ID:H/R4DuwY0
 その日の放課後も、マックイーンは旧校舎にてトレーニングを行っていた。未だに足には時折激痛が走り、幾度と無く足を止めてしまう。その度にもう全盛期のようには走れないという現実を直視させられる。その絶望感を振り切るようにマックイーンは再度走り込みを行う。ただがむしゃらにその繰り返し。まるで、出口の見えないトンネルを進んでいるような感覚に陥っていた。

「おーい、たれ子! どうした! もうやめちまうのか!? お前さんの覚悟ってのはそんなもんか!?」

 小さい体からは想像もつかないほど大きな檄が飛ぶ。極秘トレーニングの間、ネズミは片時も離れず懸命にマックイーンを支えていた。足の痛みと共に湧き上がる焦りや不安は、その声を聞くと不思議と和らいだ。ネズミの声から伝わってくる自信や安心感はまるで熟練のトレーナーそのもの。その声援に背中を押される度に幾度と無く救われてきた。自分は決して一人ではないと奮い立つことが出来た。

「まだまだ! もう一本お願いします!」

「おう! よーい、スタート!」

 スタートの合図と同時にマックイーンは走り出す。その姿を見る度にネズミの脳裏にはぼんやりと懐かしい記憶の断片が蘇っていた。その記憶は相変わらず霞がかっており、輪郭さえおぼろげではあったが確かに自分は以前、今と似た状況にあった。


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