和久平八郎「怖くないのか?」青島俊作「正義を盾にしてますから」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2021/07/29(木) 21:05:11.01 ID:qO16CCyLO
「俺も動けなくなっちゃいました」
「なにをやってんだよ……」
「どうしてこんなことになっちゃってんの」
「昔取り調べした山部って男が、俺に報復するために爆弾椅子を送りつけてきたらしい」

ワイヤーに指を挟まれてしまった青島もマッサージチェアから離れられなくなった。
すみれが事情を訊ねると和久が説明した。
そこでふと、和久が青島に対して質問した。

「お前、なんで逃げなかったんだ?」

逃げなかったというよりも、和久にしがみつかれて逃げられなかったと言うほうが正しいのだが、青島は刑事らしい答えを口にした。

「悪党の思うまんまって嫌じゃないすか」
「怖くないのか?」
「正義を盾にしてますから」
「正義なんて言葉は口に出すな。死ぬまでな。心に秘めておけ」

正義。和久はその言葉に一家言あるらしい。

「刑事は犯人に恨まれるんだ」

青島は今朝、交際相手の髪を切った加害女性な警察は嫌いと言われたことを思い出した。

「僕も今朝、恨まれました」
「だからって犯人を恨むなよ。刑事は犯人を恨んじゃいけないんだ」

不公平だと思う。正義とは、公平ではない。

「この仕事は憎しみ合いじゃない。助け合いなんだ」

この国の司法は仇討ちを認めていない。
憎しみの連鎖には終わりがないからだ。
故に憎まない。そこで終わらせる為に。


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