7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/07/11(日) 21:53:46.38 ID:0j9uV3lDO
「長門、キツくないか?」
「平気」
あれから、様々な抱擁の仕方を試してみた。
抱っこしたり、おんぶしたり、床に座ってみたり、背中に乗って貰ったり。肩車したり。
「意外」
「なにがだ?」
「飽きると思っていた」
意外だろうか。たしかに、実際に体験するまではこうして密着することにあまり魅力を感じなかったかも知れない。すぐに飽きて、それ以外の、いやそれ以上の行為に移ろうとする者が大半なのだろう。普通ならばそうだ。
「飽きないさ」
「どうして?」
しかし、俺は飽きなかった。何故だろうね。
正直に言えば俺も男なので、ただ抱きしめているだけでは色々と耐え難い場面もあった。
だけど、そんな一時の気の迷いで全てを台無しにしたくなかった。否、恐れていたのだ。
「お前に嫌われたくないからな」
「どうして?」
長門の存在は既にかけがえのないものになっていて、失うことには耐えられないだろう。
言うなれば完全に依存していて、その状況は決して良いものではないと自覚しているのだが、それでも毎日昼休みになるのが待ち遠しくて、恋しくて。そうか……だから、俺は。
「どうして……だろうな」
自覚した想いを口にすることを躊躇すると、壁に背中を押し付けられる形で俺に抱かれていた長門が抗議するように両足でキツく挟んできた。鐘の音が鳴っても離してくれない。
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