4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/07/11(日) 21:43:30.92 ID:0j9uV3lDO
「昼休み、終わっちまったな」
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
長門がゆっくりと抱擁を解くと同時に、一気に緊張感が抜けて、気疲れを自覚した。
しかし、それにも増して俺は名残り惜しい。
「迷惑じゃなければ、また来てもいいか?」
訊ねると、長門は首肯して、言葉を紡いだ。
「また来て欲しい」
それはただの許可ではなく要望とも取れた。
こちらの意向を受け入れつつ長門自身の気持ちもこちらに届けてくれた。それが嬉しい。
「来て良かったよ」
「何故?」
何故、か。何故だろうな。言葉は難しいな。
「お前のことを知れて嬉しかったからだ」
なんとか感情を言葉に変換すると、長門は。
「そう」
黒檀のような瞳をこちらに向ける長門は俺が伝えたい想いをなんとか理解しようと努力しているようで、なんだかとてもいじらしかった。
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