814: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:40:48.29 ID:7SptLiMdo
海原光貴は偽名だ。この顔の本来の持ち主の名前をそのまま名乗っているだけ。
この少年の本当の名前はエツァリ。それはアステカの魔術師としての名前。
学園都市は科学サイドの中心。そんな中で天敵である魔術サイド側の名前を広められるのは、あまり好ましいことではない。
黒夜「……へー」
それを聞いた黒夜は、面白いことを聞いたときのようにニヤリと口の端を歪めた。
黒夜「なるほどねー、そうだったのか。だったら私もエっちゃんって呼んで――」
海原「ぶち殺されたいのですか黒夜?」
言い切る前に海原が鋭い眼光を光らせる。
怒りと殺気を感じ取った黒夜がビクリと体を震わせた。
黒夜「なっ、なンでだよ!? 何で番外個体のヤツがよくて私が駄目なンだ!」
海原「貴女にそんな呼ばれ方をされるなんて虫唾が走ります番外個体さんは別ですけど。自分を怒らせたくないのならそんな呼び方はやめるべきですよ番外個体さんはどうぞ続けてください。貴女もバラバラに解体はされたくはないでしょ番外個体さんならいいんですが――」
つらつらと言葉を並べていく海原。
このような流れの言葉があと一〇個くらい続いたくらいで番外個体が、
番外個体「うわぁ……」
ドン引きしていた。
頭の中が負の感情で溢れかえっているはずの少女が。
黒夜「この依怙贔屓野郎めェッ! 安心しろ海原ァ! こっちもハナからそンなクソみてェなニックネームで呼ぶつもりなンてねェからよォ!」
海原「賢明な判断です。あっ、番外個体さんは好きに呼んでくれて構いませんよ?」
番外個体「……何か気持ち悪いから呼び方元に戻すね? 海原」
目線を合わさずに番外個体はそう言った。
海原「そうですか。それは残念です」
海原は爽やかな笑顔を浮かべた。
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