813: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:39:53.12 ID:7SptLiMdo
海原「今の彼女にそこまでやれる力は残されてはいませんよ」
黒夜「脳みそさえ動いていればやりようはいくらでもあるよ?」
海原「自分がそんなことさせません」
黒夜「コイツを助け出すために『メンバー』の連中が動くことで、血みどろの抗争が起きちまうかもしれないよ?」
海原「この時点で何も起きていないことから、彼女にはそこまでの価値はない。切り捨てられたと見たほうが妥当だと思いますが」
黒夜「そんな安っぽい憶測を信じろと?」
海原「信じられないのなら、どうぞ自分の首を落としてください。それだけのことをしていることは自覚はあるつもりです」
二人の視線がぶつかり合う。
犬歯をむき出しにしながら睨みつける黒夜に対して、海原は動じることなく一直線に目の前の少女を見つめていた。
殺気の満ち溢れたにらめっこ。
先に動いたのは黒夜だった。
黒夜「チッ、くっだらねェ」
舌打ちしながら視線を逸らす。
黒夜「ボロボロで無抵抗なアンタを殺しても何の面白みもないからね。好きにしなよ」
黒夜はそう言って背中を向ける。
この場から立ち去るようにゆっくりと廊下を歩き出した。
海原「……ありがとうございます」
彼女の小さな背中を見ながら海原は微笑んだ。
番外個体「なんかカッコいいこと言ってる風だけど、実際はクロにゃんがエっちゃんにビビって引き下がっただけだよねー」
そんなやりとりを見ていた番外個体が、茶々を入れるように言い放った。
黒夜が勢いよく振り返って吠える。
黒夜「ビビってねェよ! 誰がこンなヤツなンかにッ! ……うん? エっちゃんって誰だよ?」
番外個体の言った知らないあだ名を聞いて、黒夜は首を傾げた。
ニヤニヤしながら番外個体は質問に答える。
番外個体「海原のこと。本名エツァリって言うらしいよー」
海原「ちょ、ちょっと番外個体さん。その名前はあまり広めて欲しくはないのですが……」
番外個体「えぇー? いいじゃんエっちゃん。かわいいよー?」
841Res/1732.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20