結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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807: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:35:24.74 ID:7SptLiMdo


結標「まさか貴女が私のお見舞いをしに来る日が来るとはね。一体どういう風の吹き回しかしら?」

黒子「勘違いしないでくださいます? 別にこれはお見舞いとかそういった類のものではありませんのよ? ただ様子を見に来ただけですの」

結標「……菓子折り持って?」


 黒子が後ろに隠すように持っていた紙袋を指差して、結標は問いかける。
 

黒子「こ、これはわたくしが個人的にここのお菓子を食べたいと思って店に買いに行ったから、そのついでに一緒に買ってきただけのモノですの! 決して、貴女のためではありませんわ!」


 顔を真っ赤にして否定する少女を見て、結標は「ふむ」と顎に手を当てながら、
 
 
結標「なるほど、これがツンデレというヤツね」

黒子「わたくしをそういった俗な呼び方で呼ばないでくださいます!?」

結標「冗談よ。ありがとうね白井さん」

黒子「まったく……」


 息を整えながら黒子は手に持っていた紙袋を差し出す。
 それを結標はお礼を交えつつ受け取った。
 
 ふと、中身を見てみると『学舎の園』の中にある有名な洋菓子屋さんで売っている、洋菓子の詰め合わせセットだった。
 昔、雑誌か何かで見たことある。度々、贈り物の菓子折りオススメランキングの上位に上がっていたので、印象に残っている。
 結標は中身を取り出して、箱を回したり角度を変えたりして様々な角度から箱を見る。
 その様子に黒子が怪訝な表情をする。
 

黒子「……どうかなさいましたの?」

結標「これMサイズね。常盤台のお嬢様なんだからケチらずにLサイズにしてくれたらよかったのに」

黒子「ほんといけ好かない女ですわね、貴女は」


 黒子は呆れながら言った。
 ごめんごめん、と軽い感じで結標は謝り、そのまま続ける。
 
 
結標「で、私に何か用? まさか本当に様子を見るためだけに、わざわざここまで来たとか言わないわよね?」

黒子「…………」


 その言葉に黒子の顔に陰りが見えた。
 しばらく沈黙が続く。
 よほど深刻なことなのだろう、と結標は彼女の様子から察する。
 意を決したのか、黒子の口が開かれる。
 

黒子「わたくし、貴女に謝らないといけないことがありますの。今日はそれを伝えにここに来ましたのよ」

結標「謝る? 私に?」

黒子「ええ。正確に言うなら、わたくしが謝りたいのはもう一人の貴女に対して、ですが」

結標「……なるほどね」


 結標はわかったような表情をし、


結標「もしかして、貴女も九月一四日以降の『私』と知り合いだった?」





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