803: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:32:53.41 ID:7SptLiMdo
禁書「とうま? 今の今まで一体どこ行ってたのかな? お昼ごはんの材料を買いに行くって言ったっきり全然戻ってこないし」
その帰り道で結標と接触してから、今の今までいろいろあったため、上条は完全にそのことを忘れていた。
だから、あの大量に買い込んだ食料は今どこにあるのかなどという記憶は、頭の片隅にも存在しない。
上条「あのー、インデックスさん?」
存在を忘れられていた挙げ句に、ご飯という彼女にとっての生きがいとも言えるイベントをすっぽかされていたインデックスはさぞお怒りだろう。
少しでも怒りを緩和させるための言い訳を考えるために頭を思考させる。
しかし、その思考は即座に中断された。
禁書「おやつの時間になっても戻らなくて、晩ごはんの時間になっても戻ってこなくて、次の日の朝ごはんの時間になっても帰ってこなくて、またまたお昼ごはんの時間になってもとうまはいなくて――」
言葉を連ねる彼女の顔には怒りなどというものは見えなかった。
どちらかといえば不安だとかそういった表情だ。
禁書「私、ほんっとに心配したんだよ!!」
涙を滲ませた碧眼が、上条当麻をじっと見つめていた。
上条「……ごめん。インデックス」
だから上条は、何の飾り気のないその一言で謝った。
そんな二人の間に立っていた美琴がため息をつき、インデックスの方へと向いて、
美琴「一応言ってはおくけど、ここ病院だからあんまり大声上げないほうがいいわよ?」
禁書「あれ? みこと? 何でこんなところに?」
美琴「今気付いたのか……」
美琴は目をパチクリとさせている少女を見て、げんなりした。
禁書「もしかしてみこともとうまのお見舞い?」
美琴「ま、まあ、そんなとこよ」
禁書「ふーん」
ふと、インデックスの視線がテーブルの上へと向いた。
そこにあるのは、美琴がお見舞いの品として持ってきたデパートかどこかで買ってきた缶入りのお菓子。
それを見たインデックスはピクリと反応する。
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