結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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802: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:32:10.62 ID:7SptLiMdo


美琴「――ほんとアンタって馬鹿よね。せっかく黒子たちが協力してくれてたってのに、最終的には一人で突っ走ってそんな大怪我負ってるわけだし」

上条「……悪い」


 上条当麻は病室のベッドの上に居た。
 彼もまた、気付いたら病院に搬送されていて、目が覚めたら昔よく見た懐かしい天井を目の当たりにしたという感じだった。
 カエル顔の医者いわく全治一週間の怪我らしい。結構な大怪我を負っていたような気がするが、その程度で済んでいるのはお医者様様だということだろう。
 入院代も馬鹿にならないし、明後日からは新学期だということなので、なんとか明日には退院できるようにしてもらえないか、と説得でもしようかと思っていたところに美琴が来たのだった。
  
 美琴が呆れたように続ける。


美琴「しかも、結局結標のヤツを助け出したのは一方通行って話だし、アンタは一体何やってたのよ?」

上条「何をやってた、か……」


 上条は当時のことを思い出していた。
 
 結標を傷付けようとしている、第四位を名乗る女と対峙したこと。
 結標を説得しようとしてが、拒絶されてしまったこと。
 結標を追って、少年院へ潜入したこと。
 結標たちを守るために、第二位のチカラを振りかざす男を止めようとしたこと。
 
 別に誰かに頼まれたことじゃない。自分がやるべきことだというわけでもない。
 誰かが言った。自分がやりたいと思えたことが自分の『役割』なのだと。
 だから上条は、微笑みながらこう答える。
  

上条「そうだな。俺は俺のやりたいことをやってただけだ」

美琴「……はあ? なによそれ?」


 曖昧な答えを聞いた美琴が眉をひそめた。
 

 ドタドタバタバタ。


 忙しなく走っているような足音が病室の外の廊下から聞こえてきた。
 その足音は次第に大きくなってきていることから、この部屋へと近づいてきているということだろう。
 不機嫌そうな視線をこちらへ送り続けている美琴から目を逸らすように、上条は病室のドアへと目を向けた。  


 ドタバタ、ガチャ。ドアが開かれた。


禁書「とうま!!」


 同居人である純白のシスターさんが姿を現した。


上条「インデックス!? ……あっ」


 上条は何かを思い出したような声を上げた。
 それは決して忘れてはいけないようなことだったらしく、サーッと少年の表情が青ざめていく。





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