結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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763: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:43:02.09 ID:2z6G7I5Go


 外部に目立った外傷はない。木原円周に破壊されたわけではない。
 つまり、制御している側で何かあったということ。
 具体的に言うなら、襲撃。

 いつの間にか木原数多は博士の目の前に立っていた。
 見下ろす数多に対し、博士は見上げるように目を尖らせる。


博士「木原貴様ッ……!」

数多「何だその目は? 別に俺は何にもしてねえぞ」

博士「貴様ら以外に誰がいる!?」

数多「いるじゃねえかよ。もう一人」


 何かを知っているように数多は言う。


数多「……テメェら、一体誰を敵に回したのかわかってんのか?」


 そう言われて博士はあることを思い出した。
 このガトリングレールガンを積んだ犬型のロボットたちは、遠隔している少年が操作しない限り基本自動制御で動いている。
 普通の人間なら同時に一〇〇ものロボットを制御することができないからだ。
 だから、仮に遠隔している者に何かがあっても、自動制御のロボットたちは従来のプログラム通りに動く。
 あのように停止させるためには、遠隔している少年に停止プログラムを起動させなければいけない。

 いや、違う。


博士「――そうか」


 博士は笑った。
 全てを理解したからだ。



博士「貴様らは、最初からこれを想定して動いていたのか!? 木原数多ァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」



 廃墟のようになった倉庫内に響き渡った男の絶叫は、すぐに途切れて静かになった。


―――
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