結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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753: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:52:44.26 ID:Q+V+Oj11o


 下部組織の一員の浜面仕上が何気ない感じで話しかけた。


フレンダ「……ううん、別にどうもしないけど」

浜面「そ、そうか。ならいいんだけど」

フレンダ「というかまだ仕事中だよ? 持ち場から離れちゃって、こんなところでサボってたら麦野に怒られちゃうって訳よ」


 呆れるようにフレンダは言う。彼はこの部屋の入り口を見張る役目だったはずだ。
 何でこんなところにいるんだ、とか思いながらフレンダは彼を持ち場へ戻させるために手をひらひらとさせる。
 すると、急に浜面の表情が強ばる。


浜面「――フレンダ!! 危ねえッ!!」

フレンダ「えっ」


 浜面仕上が急に目の前の少女の両肩を掴み、床へ横向きに押し倒すように力を加える。
 突然のことでフレンダは踏ん張ることが出来ず、そのまま横向きに床へと倒れ込む。


 ドガッ!!


 鈍い打撃音のような音が聞こえた。



フレンダ「……痛ッ、な、何なのよいきなりぃ」


 肩と背中を硬い床へ軽く打ち付けたのか、フレンダは肩の後ろ部分を手で抑えていた。
 苦痛の表情に怒りを混ぜて、フレンダは現在進行系で自分を押し倒している少年を睨むように見る。


フレンダ「ちょっと浜面ぁ! アンタ一体――へっ?」

浜面「け、けがは、ねえか? フレンダ……」


 フレンダの目の前にいる少年は安堵の表情を浮かべている。
 しかし、その少年のこめかみの辺りから、赤い液体がダラリと流れていた。
 顔を伝って流れる液体は重力に従い落下し、ぽたりと真下いる少女の頬へと雫となって垂れ落ちる。


フレンダ「なっ、何でアンタ怪我して……ッ!?」


 フレンダは目だけを動かして、浜面の頭より後方を見る。

 そこには鉄パイプのような棒を持った、研究員のような格好をした男が立っていた。

 一体どこから現れたんだ、とフレンダはふと思い出す。
 自分は今扉のない物置のような部屋の前に立っていた。
 物置ということは物がたくさん置いてあり、その数に比例して物陰がたくさんできるということだ。
 つまり、あの男は今の今まであの部屋の中にある物陰に隠れて、ずっと機会を伺っていたということだろう。一矢報いれるチャンスを。

 そんなことを考えている中、男が鉄パイプ強く握り締め、大きく振りかぶったのが見えた。
 このままあれが振り降ろされたら、目の前にいる少年に硬い鉄パイプが当たってしまう。
 大怪我、最悪死ぬ。





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