結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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752: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:51:05.89 ID:Q+V+Oj11o


麦野「ぎゃははははははははッ!! 全然物事がうまくいかないからって物に当たるなんて、ガキかよこのオッサン!?」


 血塗られた端末を片手にアイテムのリーダー麦野が笑い声を上げていた。


滝壺「しょうがないよむぎの。あそこまで小馬鹿にされたら、誰だって怒ると思うよ?」


 高笑いする麦野の言葉に、ぼーっとした感じで滝壺が反応する。


絹旗「こんな周到に超準備してるようなヤツですからねえ。プッツンとキてもおかしくはありませんね」


 冷静な表情で絹旗が言う。

 彼女たち『アイテム』は今、学園都市の外にある廃病院のような建物の中にある一室にいた。
 廃病院なのは外見だけだった。学校の教室二つ分の広さのある部屋には、研究機材等の設備で溢れており、いかにもな研究所という感じだ。
 あちこちには研究員と思われる男たちが倒れており、施設の床が血の海のように赤く染まっていた。

 そんな中をアイテムの構成員フレンダが室内を歩きながら考え事をしていた。


フレンダ(……昨日今日の私、ほんとダメダメって訳よ)


 この施設の中には五〇人近い死体が転がっている。そのほとんどが麦野沈利、絹旗最愛がやったものだ。
 しかし、フレンダはここでは一人たりとも倒せてはいなかった。
 自分ではいつも通りやっているつもりだった。頑張っているつもりだった。
 だが、なぜだかフレンダの思うような結果は付いてこなかった。


フレンダ(……もしかして私、弱くなってる……?)


 具体的に何が弱くなったとか、フレンダ自身は理解していない。
 ただ、自分の中で何かが変わってしまったのじゃないか、と漠然とだがそんなもの感じていた。


フレンダ(このままじゃ足手まといになってしまう……どうにか、どうにかしないと)


 今日の自分の調子が悪いのは、しょうがないで済むかもしれない。
 だが、これ以上はそれでは済まないかもしれない。

 もし明日も調子が悪く、このままだったら。
 もし一週間後も調子が悪く、このままだったら。
 もし一ヶ月後も調子が悪く、このままだったら。

 もしずっとこのままだったら、フレンダはもう『アイテム』というこの居場所にいることができなくなる。
 役立たずの烙印を押され、排除されてしまうだろうからだ。
 そんなことを考えているフレンダの表情には陰りのようなものが見えた。

 室内をにある扉のない物置のような小部屋の前に、フレンダはたどり着いた。中にあるダンボールや機材をぼーっと眺める。
 そんな彼女に一人の少年が近付く。


浜面「どうかしたのか? フレンダ」





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