結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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751: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:50:07.31 ID:Q+V+Oj11o


??『どーもー! 『ブロック』のリーダー佐久ちゃーん? お外にいるお友達と随分楽しいことやってたみたいだねえ?』


 その声は佐久の知っている鉄網という少女の声ではなかった。
 少女と比べたら低く、大人びたような声色をしている。


佐久「……誰だテメェは?」

??『あれれー? もしかしてわからないわけー? うーん、しょうがないなー。ちょっとだけヒントあげちゃおうかにゃーん?』

佐久「ふざけてんのか!! いいからさっさと名乗れ!!」

??『アンタらブロックと同等の機密レベルを持っていてー、上層部や暗部組織の監視や暴走の阻止を業務としている組織はなんでしょーか?』

佐久「なっ……!」


 クイズのような問いの中にある言葉言葉を聞いて、佐久は気付く。
 恐る恐るという感じに、電話口に答える。


佐久「『アイテム』、そのリーダーの麦野沈利か?」


 いひっ、と電話口の女は小さく笑う。


麦野『だーいせいかーい!! ま、って言っても正解したところで景品やら特典なんてものは、なーんにもないんだけどねー?』

佐久「ッ」


 佐久の端末と繋がっているのは同じブロックの構成員である鉄網の端末だ。
 その端末を麦野沈利が使っている。つまり、電話の持ち主が既にいなくなっているということ。

 佐久が鉄網に与えた仕事は外部組織との連携。
 ブロックの仕事をしている中で佐久が作った外部への運搬ルートを利用し、鉄網は学園都市の外へ出た。
 そして、外部組織のアジトへと向かい、今組織の人間とこれからの流れを打ち合わせしていることだろう。

 麦野沈利がその学園都市外にいる鉄網の携帯端末を持っているということは――。



佐久「――テんメェええええええええッ!! よくもやりやがったなあああああああああああああああああッ!!」



 佐久が電話口に向かって吠える。
 肺の中にある空気を全部吐き出すような声量で。


麦野『やりやがった、って一体何のことなのかにゃーん? アンタらの仲間の陰気臭えガキをブチ殺したこと? アンタらのお友達の組織とやらを皆殺しにしたこと?』


 電話の先の麦野の声が、嘲笑するようなトーンへと変わる。



麦野『――それとも、テメェのコツコツと積み上げてきた全部を、跡形もなく叩き潰してやったことかなー?』



 ガシャン!! 怒りで頭に血が上った佐久が携帯端末を壁に投げつけた。
 衝撃に耐えきれなかった端末は砕け散るようにバラバラの部品となり、床に散らばった。


―――
――






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