結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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748: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:47:39.16 ID:Q+V+Oj11o


 地下独房前の廊下で一方通行と土御門元春はその場で立ち尽くしていた。
 顔をしかめ、ある一点を見つめ、体を微動だにもせず、まるで身動きが取れなくなったように。
 その原因は彼らの視線の先にあった。


佐久「――へへっ、動くんじゃねえぞクソ野郎ども」

結標「ぐっ……」


 佐久という大男が結標淡希の首に腕を回してホールドしていた。
 首へ回した手にはコンバットナイフが、もう片方の手には拳銃が握られている。

 人質。

 この空間の支配権をブロックが再び引き戻していた。


佐久「少しでも動いてみろ。この女の首を掻っ切る。別に俺からすりゃコイツの命なんざどうでもいいんだがよお、テメェらからすりゃそうじゃねえんだろ?」

土御門「チッ……」


 舌打ちする土御門の額には汗のようなものが見える。
 想定外の状況に焦りを出てきているのだろう。
 しかし、一方通行は違った。


一方通行「…………」


 冷静に。表情を変えることなく。結標を。彼女を捕らえる佐久を。
 ただただ黙ってそれを見つめていた。


佐久「さて、人質を助けたいんだろ? こちらの指示に従ってもらおうか」


 形勢が逆転した佐久は一方通行を見る。


佐久「まずはその厄介な『AIMジャマーキャンセラー』とかいう玩具をぶっ壊してもらおうか」


 手に持った拳銃で一方通行の首元に付いている装置を指す。
 これがなくなると彼はAIMジャマーという装置の効力が働いているこの場所で、能力を自由に使うことができなくなる。
 まさしく絶体絶命な状況に陥ってしまうだろう。
 しかし、


一方通行「ああ」


 グシャリ。一方通行は間髪入れず返事をし、首の右側にある装置を握り潰した。
 装置の部品が床にバラバラと落下していく。


一方通行「ッ……!」


 一方通行の身体がふらついた。
 今まで受けていなかったAIMジャマーの影響を受けたせいだろう。
 これで一方通行は自由に能力を使うことができなくなった。





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