結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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726: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:24:47.62 ID:Q+V+Oj11o


?????「見つけたぞ」


 二人の背中から声がかかった。
 番外個体が歩いてきた方向。つまり、集団自殺があった少年院の裏口のある方向から。


海原「……どなたでしょうか?」


 二人は声のした方向へ向く。そこにいたのは小柄の少女だった。
 赤いセーラー服のような制服を来ていて、濃い茶髪を二つに束ねている。
 鋭い眼光が二人を、いや、正確には海原光貴の方へと向けられていた。


番外個体「どうやら少年院に迷い込んだガキンチョとかじゃなさそうだね。裏にどっぷりと浸かったドブクセェ臭いがプンプンだー」


 軽口を言う番外個体の体に紫電が走る。
 二億ボルトの電撃をいつでも放出できるという合図だろう。


番外個体「『スクール』や『アイテム』にはこんなヤツいなかったと思うから、『メンバー』か『ブロック』か。どっち?」

?????「『メンバー』だ。まあ、目的のために利用していただけだから、そんな枠組みなど今となってはどうでもいいがな」

番外個体「そっか。てことはさくっとドタマぶっ飛ばして終わりー、って感じでオッケーってことだよねー」


 番外個体は懐から鉄釘を取り出し、少女に向けて構える。
 釘を持った腕に電気が走り、磁力による音速弾が放たれようとする。
 しかし、海原がそれを止めるかのように番外個体の前に手を出した。


番外個体「ん? どしたの海原ー?」

海原「……あ、あなたは、まさか、そんな……」


 番外個体の質問に反応することなく、海原は顔をこわばらせながら目の前に立つ少女を見つめている。
 少年を鼻で笑うかのようにセーラー服の少女は、


?????「信じられないか? 私がここにいることが。夢か幻などというくだらない言葉で片付けようとでも思っているのか?」


 少女が手を顔に持っていく。そして顔にある何かを掴むように指を引っ掛ける。


?????「――だったら、貴様に現実というものを突きつけてやろう」


 顔についた何かを引き剥がすように、少女は手で顔を拭う。
 瞬間、目の前に居たはずの茶髪の日本人的な外見の少女が姿が変わった。
 堀の深い顔立ちをした浅黒い肌を持つ、くせ毛がかった黒髪を首元まで伸ばした少女が目の前に現れた。


海原「ショチトル……!」

ショチトル「久しぶりだな……『エツァリ』」


 ショチトルと呼ばれる少女が目の前に現れ、海原は歪ませた顔をさらに歪ませる。




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