結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
1- 20
725: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:23:15.73 ID:Q+V+Oj11o


 少年院の敷地内を一人の少年が歩いていた。
 海原光貴。暗部組織『グループ』の構成員の少年だ。
 彼の任務は外周の警備。グループに仇をなす者の外からの侵入を防ぐために行動している。

 当初の作戦では海原は土御門と共に独房へ赴き、結標淡希を救出する役割を与えられていた。
 しかし、急遽一方通行が加わったことでプランAからプランBへと変更され、番外個体と共に防衛の任についている。


海原「――さて、そろそろ始まっている頃ですかね」


 携帯端末で時間をひと目確認した後、警報の鳴っている少年院の方へ目を向ける。
 そんな海原の名前を呼ぶものがいた。


番外個体「おーい、海原ー」

海原「どうかしましたか番外個体さん。貴女の持ち場はこちらではないでしょうに」

番外個体「なんかねー、面白いことがあったから海原にも知らせてあげようと思って」

海原「……まったく、貴女という人は」


 堂々と任務をサボっている少女を前にして海原は頭を抑えた。
 番外個体のニヤニヤとした顔からして悪びれる様子はまったくないようだ。


海原「面白いこととは?」

番外個体「少年院の裏口の辺にさ、なんか集団自殺している人たちがいてね」

海原「集団自殺?」

番外個体「そうそう。みんなして自分のこめかみや脳天を自分の銃で撃ち抜いていたよ。ナイフ持ってる人は自分の心臓をぶっ刺しててさー、傑作だったね」

海原「…………」


 ケラケラと笑う番外個体とは対局に海原は難しい顔をして何かを考え込んでいた。
 ここは少年院。間違ってもネットの掲示板とかで集まった自殺志願者たちが来て自殺しにくるような場所ではない。
 その自殺に使われた方法が拳銃やナイフ。ここの警備兵やブロックの連中が使っていそうな装備。
 つまり、その自殺者たちは――。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
841Res/1732.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice