721: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:20:14.53 ID:Q+V+Oj11o
一方通行「――あの時のオマエも、今のオマエも、紛れもない『結標淡希』だろォがッ!! 記憶があるだァ? ないだァ? そンなの関係ねェンだよッ!! 知ったこっちゃねェンだよコッチはよォッ!!」
一方通行が吠える。
今まで溜め込んでいたものを、内に秘めたものを、全て、彼女にぶつけるかのように。
一方通行「だから、俺はオマエを守るために、オマエをこのクソッタレな闇から救い出すために、こォしてこの場に立ってンだよッ!!」
結標「ッ……」
一方通行の言葉を聞いて少女は黙る。
彼の迫力に威圧されたのか。恐怖し、体が硬直したのか。それとも。
一方通行「……さてと」
視線を結標からその後ろにたむろしている者共へ向ける。
暗部組織ブロックの幹部の大男、佐久と目が合う。
佐久はそのコンタクトに応じるように、
佐久「テメェどうやってここに来やがった!? テメェに対してこの情報が入らねえように封鎖させていたはずだ!! テメェなんかがこんなところに来れるわけねえんだよ!!」
一方通行「そォかよ、ソイツはご苦労なこった。けどよォ」
煽るような口調で一方通行は口元を歪ませて、
一方通行「こォやってオマエらの前に立ててるっつゥことは、ソイツは点で無駄な努力だったっつゥことだよなァ? ぎゃはっ」
佐久にとってこの状況は、避けなければいけないものだと思っていた。
だから、水面下で情報を操作したり、一方通行に裏の事実を突きつけて心を折ろうともしていた。
しかし、一方通行はこの場に立っている。佐久の恐れていた状況になっている。
だが、佐久はあることに気付いた。それは自分の勝機へと繋がるような事柄。
今まで焦りの見えていた佐久の顔に余裕のようなものが現れる。
佐久「……お前、ここがどこだかわかるか?」
一方通行「あン? 少年院の地下の独房だが、それがどォかしたか?」
佐久「だったらお前も知ってんだろ? 『AIMジャマー』っつう対能力者用の装置の名前くらいよお」
一方通行「…………」
佐久「他の階層のヤツは、メンテ中で作動はしていなかったからテメェは気付かなかったみてえだが、ここのは稼働してんだよ! 俺たちが手を回したからなぁ!」
「本当は気付いてんだろ? 感じてんだろ? AIMジャマーっつうテメェらからしたら最悪の不快感をよぉ」と佐久が畳み掛ける。
一方通行「…………」
一方通行はその問いに対して無言を貫き、ジッと佐久を見つめるように睨みつける。
佐久が勝ち誇ったように、
佐久「AIMジャマーの影響っつうのは能力が強ければ強いほど、デカければデカイほど危険なんだってなッ! 例えばテメェみてえな超能力(レベル5)だとなおさらすげえんだろっ!?」
佐久「能力を使うたび腕や足が吹っ飛ぶかもしれねえっつリスクを負っちまう。つまり、そんな状態でチカラを使おうなんてヤツは自殺志願者でしかねえってことだ!」
佐久「どうりで強気な態度を取ろうとするわけだ。そりゃそうだよなぁ? 能力を使えないなんて悟られるわけにはいかねえからなあっ! 実は何のチカラも使えないクソガキでしたなんて気付かれるわけにはいかねえからなぁ!!」
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