結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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702: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:42:53.23 ID:31eSI50lo


手塩「私たちは、『ブロック』。そいつらとは、違う組織だ」

??「手塩」


 声とともに男たちの後ろから手塩と呼ばれる筋肉質な女が現れた。
 手塩は大男の方を向いて、


手塩「いつまで、ターゲットと、与太話をしているつもりだ、佐久?」

佐久「別にいいじゃねえか。どうせもう俺たちの勝ちは確定しているようなもんなんだぜ?」

手塩「最後まで、何があるかなんて、誰にもわからないんだ。油断するな」


 佐久はへいへいと頭をかきながら返事した。
 二人の会話を聞いた結標は眉をひそめながら、


結標「あら? 勝利宣言だなんて随分と余裕じゃない。一体誰を目の前にして言っているのか理解できてる?」

佐久「ああ。きちんと理解できているさ。超能力者(レベル5)第八位。『座標移動(ムーブポイント)』結標淡希」


 その言葉を聞いて結標はギィと歯を鳴らす。


結標「――だったら、これから貴方たちが、どういう目に合うかなんてこともわかりきっているわよねッ!?」


 軍用懐中電灯を真横に振る。結標の懐に仕舞い込んだ大量の金属矢が姿を消した。
 テレポートによる物質転移。ターゲットは当然、目の前に立ち塞がる敵達。

 トンッ、という肉を裂く音が幾度という回数聞こえた。
 金属矢が体内に突き刺さる痛みによる断末魔が通路内を鳴り響き、武装した男たちがバタバタ床に倒れ込んでいく。
 そんな中、


佐久「おーおー怖い怖い」

手塩「…………」


 幹部と思われる二人は涼しい顔でその場に立っていた。
 おそらく金属矢が転移する場所を予測して回避したのだろう。


結標「なかなかやるみたいね。けど、そう何度も避けられると思わないことね」

佐久「……ふっ」


 佐久は鼻で笑った。まるで自慢気に的はずれなことを抜かす人間を嘲笑うかのように。


結標「一体何がおかしいのかしら?」


 結標の声色が変わる。目付きが鋭くなる。
 しかし、佐久は笑みを止めない。


佐久「いやー、なに。何にもわかってねえガキが粋がる姿を見るのって面白れえなぁと思ってな」

結標「わかっていない? それは貴方のことよ。これから頭を私のチカラで撃ち抜かれるというのをわかっていたら、普通そんな態度取れないもの」

佐久「違うな。やはりわかってないのはお前の方だ」





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