結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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701: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/01(土) 11:40:19.65 ID:31eSI50lo


結標「よかった……、本当によかった……」


 結標からすれば、彼ら彼女らと最後に会ったのは二日前とかそれくらいしか時は経ってはいない。
 しかし、なぜだか彼女の中には妙な懐かしさのようなものを感じて、目が潤んだ。


結標「ごめんね、半年も待たせちゃって。待ってて、今すぐここから助け出す」


 この鋼鉄製の扉はちょっとやそっとじゃ打ち破れない強固な物だ。
 だが、結標にはそれを容易に破壊できるチカラを持っている。
 今すぐみんなをここから出してあげなきゃ、と軍用懐中電灯を手に取る。


少女『――淡希!! ここにいちゃ駄目!! 今すぐ逃げて!!』


 結標の行動を遮るように少女が叫ぶ。


結標「えっ、どうして……?」


 結標はその言葉の意味を理解できなかった。
 やめろ、と言われるならわかる。脱獄は重犯罪だ。
 それを止めようとする言葉を言われるだろうということは、何となく予想はしていた。
 しかし、彼女が言った言葉は『今すぐ逃げろ』。

 瞬間、結標はゾクリと嫌な気配を肌に感じた。
 体ごと気配のした方向、自分が降りてきた階段の曲がり角の方へと向ける。


結標「――なっ」


 十近い人数の武装した男たちが、機関銃の銃口をこちらへ向けてきていた。
 少女の言ったことの意味、それを瞬時に理解した。


結標(――待ち伏せッ!? 行き先を読まれた!? 私が侵入したということがバレていたというの!? いや、それにしても対応が早すぎる……!)


 大勢の武装した男たちを見る。何か違和感のようなものを覚えた。
 結標は額に汗を浮かべながらも、ニヤリと笑う。
 確信したような口調で、


結標「貴方たち、ここの職員じゃないわね?」


 武装集団へ問いかける。
 その問いが聞こえたのか、集団の後ろの方から一人の男が現れた。熊のような大男だった。


??「その通りだ。確かに俺たちはここの職員でも警備員でもねえ。よくわかったな」

結標「わかるわよ。貴方たちから生ゴミみたいな汚い臭いがプンプンするもの」

??「ひでえ言われようだな」

結標「大方、上層部に馬車馬のように働かされている暗部組織ってヤツでしょ? 『スクール』とか『アイテム』とかいう」

??「またまた御名答。でも一つ違うところがあるな。俺たちは――」


 大男の声を遮るように、





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